【ネタバレ感想】圧倒的な絶望感から、ちょっと待てやコラ!になってしまった名作「インデペンデンス・デイ」

物心ついた時には映画館で映画を観ていた鈴木さんです、こんにちは。

今みたいにひねくれてなかったので、ストーリーがどうとかあーだこーだ文句も言わないし純粋に楽しんでたらしいですよ。

母からしてみたら、どうしてこうなったって感じでしょう💦

親に聞いた話では、「チキチキバンバン」で車が空を飛ぶシーンで喜んでたりとか、チャップリンの「ライムライト」と「キッド」の二本立てを観に行った時は疲れて寝ちゃったらしく、チャップリンに興味が出てきた小学校3年位になって観に行きたいと言っても「あんた寝てたよね」って連れて行ってもらえなかったのも今ではいい思い出です。

その頃からいろんな映画を観てきたんですが、今までに無かった衝撃を感じた映画って言うのが何本もありまして。

その中の一本が今日紹介する「インデペンデンス・デイ(Independence Day)」です。

あらすじ

アメリカ独立記念日の2日前。超巨大宇宙船(UFO)がアメリカや世界中の大都市上空に出現する。アメリカのホイットモア大統領は対話を試みるが、宇宙人は世界中で攻撃を始めてしまう。世界の主要都市は大打撃を受け、圧倒的な力の差を見せつけられた人類はどうなるのか……。

今まで感じた事のない圧倒的な絶望感

宇宙人が攻めてくる映画、SFにはよくあるし好きなジャンルなんですけど、このインデペンデンス・デイ。映画を観ていて、今まで感じた事のない絶望感を感じたんですよ。映画がつまらないとか設定が穴だらけで「もう観てられないよ、この映画!」って言うのじゃ無くて、これ人類助かんないんじゃね?」って言う意味での絶望感。

これって結構凄い事で、そう感じれる映画ってなかなか無いんです。って言うか映画観てて絶望したのって後にも先にもこの映画だけかもしれません。

だってありえないじゃないですか、宇宙人に地球が支配されてバッドエンドになる……。そんなハリウッド映画。しかもわざわざアメリカ人の大切な「独立記念日」に合わせて筋立てるんですよ?

もちろん当時はネットが普及してないし、今の様にネタバレを食らう方が難しいです。

鬼畜な友人とかいれば危険性はありますが、その時はネットって言ってもi-modeレベルですし、パソコン通信のニフティーサーブがまだあった頃ですからね。

当時付き合ってた彼女に誘われるまま、ほぼ前情報無しで映画館へ行った訳です。

ここからネタバレです。

「作品をまだ観てない、観てみたい」と思った方は後でお会いしましょう!

それでは本編をご覧下さい。

感想

さあ、いかがでした?

さっきも言ったみたいに、前半の宇宙人の侵略のシーンは本当に引き込まれました。

都市を覆う様な宇宙船が登場し、カウントダウンが始まり、宇宙人を歓迎しているちょっとイカれた集団が集まる高層ビルの頭上でゆっくりと攻撃する為の砲撃ハッチがゆっくりと開いていき、青白い光に包まれながらカウントゼロと共に宇宙船からビームの様な攻撃が真下のビルを貫いて地上にまで衝撃波が走り、ビルを中心に波状に広がる衝撃に車や人、あらゆるものが吹っ飛んで行くんです。

もうね、圧巻です。

そして戦闘機での攻撃も失敗に終わり、アメリカ大統領は核爆弾による攻撃を決意するんですが、人類の最終手段である核爆弾も通じなく、呆然となる訳なんですが――。

自分も映画館で絶望してました(笑)

いや、これダメだろ。どうやってこんなのに勝つんだよ???

マジで思ってたんですよ。

完璧に入り込んんでました(笑)

そしてここまで落とされて、どうやって解決するかって期待値爆上げテンションMAX状態の時に出てきた解決策。それは「宇宙船の母船にコンピューターウイルスを仕掛けて、宇宙船や戦闘機のシールド(バリヤー)を解除して一斉攻撃をかける」と言うものでして……。

え? ちょっと待って??? さっきあの人Power Book使ってたよね? って事は宇宙船ってMac OSでプログラミングっされてるの? いや、もしかしたらUNIXか? て言うかどうやって回線繋ぐの? 携帯電話? テレホーダイなら夜11時まで待たなきゃアカンよ???

※テレホーダイはインデペンデンス・デイの公開前年度(1995年)よりスタート。

っていうかウイルスってなんだよ!? H・G・ウェルズの宇宙戦争のパクリかよ!!

※宇宙戦争では、攻めてきた火星人は地球の感染症=ウイルスによって撃退される。

人が混乱しているうちに話は進み、過去に宇宙人にさらわれて人体実験を受けたと言うお父さんの特攻しもあって作戦は成功する訳なのですが、その特攻が自分には合わなかったんですよ。

誰かの為にと言うか、この場合家族、そして地球人類全体の為なんですけど、自己を犠牲にして誰かを救うって展開、なんか安っぽい感じがして凄く嫌いなんですよ。

で、ガッカリして映画館を出たんですけど、彼女さんが満面の笑みで「最後のお父さん感動したね!!」って言ってきたんですね。

火に油を注ぐとはこの事で、前半の期待値MAXから地獄の底に突き落とされた私は、「オレ、ああいう安っぽいメロドラマみたいなの嫌いなんだよね」って返しちゃったんですよ。

それを聞いた彼女さんも怒り出して、映画館の前で怒鳴り合いの大喧嘩。

なんとか仲直りしたんですけど、それ以来「あたしのお気に入りのお店とか絶対紹介しないよ。だってまずいとか言われたイヤだもん」みたいな嫌味は抜けず、3か月くらいで別れました……。

それ以来、映画館で観る「初見の映画」は一人で観に行くという、【ぼっち映画愛好家】みたいになっちゃった訳なんですよね。

いや、ホントは彼女さんとかと一緒に観に行きたいよ。でもちょっとトラウマです。

見所

こんだけボロクソ言ってるにのに見所も何も無いんですが、この作品、テレビ放映で見返してみて評価が変わったんです。

テレビ初放映、1999年のテレビ朝日「日曜洋画劇場」。

このテレ朝版吹き替えのトーマス・ホイットモア大統領(ビル・ブルマン)の吹き替えをされた古川登志夫さんの演説シーンが素晴らしく、後半に対する印象が激変したんです。

まあ、ウイルスの件はあれですけどね(笑)

とにかく前半からの流れは何度観ても素晴らしいの一言に尽きます。

特に最初の宇宙船が青い光線を放ってビルを貫ぬくシーンから町中がパニックになるシーン。そしてホワイトハウスが破壊されるシーンは見事です。

CG前世の今はこういうシーンがあってもびっくりしないし、CGで描くとなんかおもちゃみたいな独特な軽さがありますが、この映画では逆にミニチュアを使って撮影しているんです。

それが逆にCGには無いリアルさを感じさせてくれます。

そして映画史に残ると言われるホイットモア大統領の演説シーン。

これは是非「テレ朝版吹き替え」で観ていただきたい!

古川登志夫さんの名演が光ります。

※テレ朝版吹き替えはDVD/ブルーレイ「吹き替えの達人シリーズ」に収録されています。地上波での放送は大体「テレ朝版」が多い様です。